子どもとの節分
「あっ、今日は節分だ。」
スーパーで買い物中、今日は節分だった事に気が付いた私。
なんたって目の前にはケースにずらりと並んだ見事な恵方巻が、「あなたもちょっと節分の気分を味わいなさいよ。」と言わんばかりです。
「子どもに節分を楽しませてあげたいな。」と思った私は、美味しそうな恵方巻を買うことにしました。
「うーん。どれも美味しそう。だけどお値段もいいお値段がついているわぁ。」
なんて心の中で葛藤を繰り返しながら、選びに選び抜いた恵方巻をカゴに入れましたよ。
まぐろやサーモン、ねぎ、錦糸たまごなど海の幸がたっぷりと入った恵方巻を選びました。
今年の恵方を向いて食べると幸福が訪れるというものらしいから、今年の方角を確認し、ウチの台所ではどこを向いて食べればいいのか考えました。
「あらぁ。今年はテレビと反対方向だわ。これはむずかしいな」と思いながら、今度は節分の豆を探しに行きました。
並んだレジでは前の人のカゴの中にも恵方巻がどーんと入っていましたね。
「遅くなっちゃった。早く帰らなくちゃ。」と焦って家に帰ると子どもたちは、テレビの前でのんびり宿題をしていました。
「今日も何事もなく 無事に過ごせたみたいだな。」とほっとしながら、夕食の準備です。
「今日は恵方巻におかずがいっぱい入っているんだから、後は豚汁を作り楽チンに済ませよう。」と決めました。
急いで豚汁を作っていると子どもたちは「おなかがすいたー」とやってきます。
そしてテーブルの上に並んでいる恵方巻を見て「今日はどっちの方角を見るの?」と嬉しそうに聞いてきます。
「あぁ、知っているのね。」と思いながら、「今日はこっちの冷蔵庫の方を見て食べるんだよ」と教え、豚汁ができた所で「いただきまーす。」
我が家では、行儀が悪いのですが、食事の時にいつもテレビをつけています。
ですから冷蔵庫に向かって恵方巻を食べる子どもたちの背中側からテレビの音が流れてきています。
最初は「黙って食べるんだよ」と言って私も子どもたちも無言で食べていましたが、子どもたちはテレビが気になるし、私は「あっ、具がこぼれる」なんて気になったりして、だんだんそわそわし始めます。
いつの間にか子どもたちの顔は後ろを向き目線はテレビ方向、私は思わず「こぼれるよっ。」と声をだしてしまいましたね。
私がしゃべってしまった所で子どもたちは「あ〜っ、お母さんしゃべった。」と言わんばかりに私を指さしてけらけら笑いだすんです。
「もう無理。」とばかりに私も笑いだし、「テレビ見ながらでもいいよ」と妥協していました。難しいですね。黙って食べるというのは。
でも敢えて挑戦しようとするのは、たまにはいいものですよ。
にらめっこしているみたいで、笑っちゃう。
「まっいいか。」「笑った方が幸福も来るよ」と自己満足しながら食べた恵方巻も美味しかったな。
その後、お決まりの豆撒きです。
「まあ、今年の節分は人並みに合格点かな。楽しかったし。」
なんて自己満足に浸りながら茶碗を洗う私でした。