受験の時の節分

受験の時の節分

受験の時の節分

受験の時の節分

私が大学受験を控えていた冬。
もうすぐ本番の試験日が近づいてくるという緊張のため、あまり食欲がなく気分も滅入ってくるような日々が続いていました。

 

その私は高校生の時に死ぬかもしれないという大病を患い、故郷を離れての入院生活や自宅療養が続いていました。

 

高校卒業後1年程経ってから、やっと病状も落ち着き、大学に行きたいという夢に向かって勉強を再開することができたのです。
私は予備校や塾に通う事をせず、自宅で受験勉強をしていました。
2月なのでインフルエンザも怖かったです。
※ちなみに、インフルエンザB型より、A型のほうが危険だそうです。

 

他の同級生達は既に就職していたり、大学生活をエンジョイしていたりで、孤独な受験生活でしたね。
自分がみじめで友達と連絡を取る事を避けていた私だったので、本当に孤独でした。

 

そんな冬の2月3日。

 

母が「今日は節分だから、豆撒きをするよ」と言って夕食の前に、豆を出してきたのです。

 

「私はしない。そんな気分じゃないから。」と言うと、母は「じゃあ、お母さんがするわ。」と言って豆を家の窓に向かって投げ始めました。
窓の外は白い雪が積もっていました。

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「鬼は〜外。福は〜内」と母は言いながら、豆を投げ私はそれを「ぼーっ」と眺めているだけでしたね。
「歳の数だけ食べなさいね」と手に豆を渡され、「うん」とだけ言ってボリボリ食べていた私です。

受験の時の節分

その日の夕食のテーブルには恵方巻がありました。

 

「体力が必要だから、頑張って食べなさいよ。」という母。

 

私はまたまた「うん。」とだけ言って、1本を食べましたね。
今思うと母は私を元気づけようとして、一生けん命だったんですね。

 

お陰で私は無事大学に合格し、なんとか就職もし、信じられないけど今は3人の子供の母親になっています。

 

受験の時の節分

 

病院の先生には「奇跡だね。」と言って頂けました。
そしてあの時の母の気持ちが、痛いほど分かる年齢になりました。家族に支えられるってこういうことなんですね。
親の気持ちって暖かいものですね。

 

私も子供が病気になった時、とても心配します。
「私が代わってあげられるものなら、代わりたい」と真剣に思いますよ。

 

日本では季節の節目に色々な行事があり御馳走もでてきますが、思い返せばそれが人生の節目と重なる時もあるんですね。

 

春が来る立春の一日前だからこそ、気持ちを入れ替えたい日ですね。
私も少しは大人になったかな。

 

あの時、母に「ありがとう。」って、言える気持ちの余裕はなかったけど、精一杯生きていたことは母に伝わっていたと思います。
そして私も子どもたちの心に残るような経験をさせてあげられるかな。
焦らずにがんばろうっと

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