初恋

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初恋

私の恥ずかしい初恋のお話です。それは小学校1年生。

 

同じ1年2組の男の子。私はおませさんだったのかなぁ。。。その男の子、F君は電車に乗って学校へ通っていました。

 

私の家は電車の駅近くだったので、学校から帰ったら電車の時間が来るまで駅の広場で遊んでいましたね。
広場といってもなにもなく、ただ砂利があり、草むらがあり、昔の線路に引いてあった枕木が互い違いに積み上げてあっただけのものでした。

 

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そこで鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、枕木の上によじ登ったりと今なら危ないからと止められそうなことをして遊んでいましたね。
駅で遊ぶメンバーとはみんな仲良しでしたが、F君と遊ぶ時はドキドキしていた私。
まだ1年生なのにトキメイテいましたね。

 

節分には小学校で全員が小袋に入った炒り大豆をもらいました。実は私は豆が大好きなんですよ。

 

あの歯ごたえがたまらなく好きで、お茶がないとむせるような口の中の感触も、噛めば噛むほど出てくる素朴な味も好きでした。
学校からの帰り道、F君が駅で遊んでいました。

 

なにか話しかけたいと思ったんでしょう。なんと私は駅で遊んでいるF君に「豆ちょうだい」と言っちゃたんです。
随分と勇気がいったはずだと思いますが、まだ1年生の子どもでしたからね。

 

よく考えずに、口から言葉がでちゃったんでしょうね。
F君は私になんの躊躇もなく、「いいよ」と豆を少しくれました。

 





その時の嬉しかった気持ちは今でも思い出せるし、いい思い出となっています。
私は嬉しくて母に「大きくなったら、F君と結婚したい。」と告白し、母は「えっ」という反応をしていましたね。

 

F君にもらった豆は私にとってバレンタインのチョコにも匹敵する力を持っていました。
無邪気に「F君が好き。」と母に話していたあの頃。

 

嬉しくて、嬉しくて母に話してしまった。

 

今になって思い出すと、「ホント恥ずかしい。我ながら不覚だった。なんで母に言っちゃったのだろう」という思いがよぎります。
「どうか、あの日の事を母が覚えていませんように」と願うばかりです。

 

節分の豆は私の心にポッと灯った幼い恋の始まりかな。

 

もちろん、その恋は2年生になったら忘れていましたが、ただ私の豆好きは変わっていません。
今でも夕食にスープを作ろうかなと考えると、「あっ、豆を入れよう。」と思っちゃうんですよ。お肉や野菜、さらに豆を入れたミネストローネスープが大好きで、我ながら美味しいです。
サラダにも豆を入れると栄養的にも良いですよね。

 

春には豆ごはん。夏には枝豆。おせちにも豆。
だけど、F君からもらった節分の豆は、幼い恋の味がする思い出のマメです。

 

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