残業での節分
寂しく残業していた私がいた。
当時プログラマーとして、ほぼ毎日のように残業残業でした。 →こんなのつくってました。受注・在庫等を管理するシステムです。
夕陽をみながら帰宅できる時なんて、ほとんどなかったですね。
男女平等だから、仕方ないねとただ黙々とコーディングする残業風景が思い出されます。
それに仕事の出来具合が成績表として、本人に渡されるシステムがありました。
だいたい「不可」か、良くて「可」でしたね。
大学の成績表みたいでした。
成績表を見て「ハアーッ」とため息をつくしかない私。
いつものように残業していると、W先輩が「はい、食べて。今日は節分だよ」と言って恵方巻を机の上に置いてくれたんです。
それはコンビニで買ってくれたもので、そんなに贅沢な物ではありませんでしたが、私はW先輩の暖かい気持ちに「うわっ、うれしい」と単純に喜び、満面の笑顔で「ありがとうございますーす」とお礼を言ったものです。
「そっか。今日は節分なんですね。」
日々の仕事仕事で節分という日本の行事を忘れかけていた私。
心もだんだん乾いていくような社会。
そんな中で私は温かいお茶を入れてW先輩と恵方巻を丸かぶりしました。
「おいしいです。」日本食の中でもお寿司は大大大好き。
「今年の恵方はどっちですか」なんて話しながら、食べていたような気がします。
仕事では、あまりパッとしない私だったから、「この仕事、私に向いていないのかな」なんて落ち込む事もしばしばありました。
仕事が大変なときこそ、お肌の乾きにも注意しましょうね。
お肌は結構見られていますよ。
「あ〜辞めたい」と真剣に考え始めていた頃でしたが、W先輩の気持ちが恵方巻と一緒に私の心の中に暖かく流れ込んできてひと時、その事を忘れていました。
それから、休みの日にテニスの打ちっぱなしに誘われました。
私はテニスをしたことがないので、なかなかラケットに当たらなかったんです。
しかし当たると手にすごい衝撃の力が伝わり、ボールが飛んでいく様を見る事ができ、久々に爽快感を味わいました。
W先輩もそんなに上手ではなかったことも内心嬉しかったですね。
だから、引け目を感じることなく伸び伸びと打っていました。
「W先輩が好き」だんだん恋心を抱くようになった私。
私は単純な性格なのかな。
つまりはそのW先輩からのプロポーズに素直に「はい」と一つ返事を返していました。
私は食べ物からつられました。
今は幸せとも不幸せとも言えない結婚生活。
「まぁ、いいんじゃないかな」
「あの時の恵方巻は私達の未来を知っていたのかな。」と恵方巻を食べる時に思い出しますね。